色々な介護の仕事の中でも、一人で利用者の自宅に訪問するヘルパーは責任が重大です。いつも一人だけで仕事をしなければならないことに孤独感を感じて、転職をするケースもありえます。
人はいくらベテランになったとしても、これでいいのか、評価やアドバイスが欲しくなる時はあります。何か問題が起きた時には、すべて自分にかかってくるため、不安になってしまう場合もあるでしょう。
勤め先が良心的な事業所であれば、何か問題が起きたとしても、スタッフ一人に責任を押し付けるようなことはありません。一方、組織的に問題があるような事業所で、社内の雰囲気が劣悪であれば、責任の押し付け合いが起きるでしょう。
在宅ケアは、利用者の自宅で作業を行うため、なにか間違いを犯していたとしても気づきにくいものです。その上で、現場では常に一人で対応し続けるため、なかなか不安は払拭できないものです。これを取り除くには、組織の力で不安を解消させる努力が必要だといえます。
例えば、ヘルパー同士の集まりや研修会を企画したりして、それぞれの業務状況をシェアするといった取り組みは良い方法です。みんなが周囲のやり方を知ることで、在宅ケアの内容に偏りをもたらさないようにすることができます。
事業所側がこのような努力を怠り、一人ひとりの力量のみで在宅訪問をさせていれば、利用者ごとに求められることが異なり、スタッフ本人の負担がますます大きくなってしまいます。スタッフに気持ちよく働いてもらうためにも、利用者に訪問の業務範囲をきちんと理解してもらうためにも、スタッフ同士で共有する機会を設けることはとても重要なことなのです。